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トップインタビュー

渡邉 正一 氏(渡辺グループ 代表)2018年8月号掲載 


〈わたなべ しょういち〉 
1947年3月12日生まれ、亥年。札幌市出身、71歳。札幌東高を経て早稲田大教育学部卒。70年4月、渡辺食品機械に入社。74年7月常務、89年に社長就任。現在に至る。
存在感増す飲・食のトータルプランナー
グループのシナジー効果で増収増益維持


 創業以来、消費者目線を貫き開店準備からオープン以後の商品供給まで、きめ細かな需要に応えてきたワタナベグループ。グループ内のシナジー効果は年を重ねるごとにブラッシュアップされ、〝飲・食のトータルプランナー〟としての存在感は増すばかりだ――。



解決策講じて業界活性化に尽力

――昨年、酒税法が改正されました。その内容と、現状を。
 改正された酒税法の内容というのは、商品の仕入原価に対して販管費や物流経費などを合算し、その合計額よりも下回った価格で販売してしまうと〝罰則を受ける〟というものです。
 この改正には「小さな酒屋を守る」といった国の方針が背景にありますが、零細、中小、大企業──、それぞれの酒屋には〝フットワークの軽さ〟〝融通〟〝システムの充実〟など、それぞれ独自の強みがあります。
 今もその強みを用いてしのぎを削っている最中なわけです。もっと細かに現場の声を拾い上げ、反映させていかなければ、改正により結果的に小さな酒屋に負担をかけてしまうかもしれません。
 また、今年は3月と4月にビールメーカーの値上げがありました。その反動もあって、「5月は大変厳しい」という声が業界内から聞こえてきますし、このままでは「飲み放題」といったプランも是正されるかもしれない。
 飲み放題は外国人観光客にも大変好評なプランです。〝すすきので飲み明かす〟ことを目的に来道される観光客も大勢いらっしゃいますので、近年増加傾向にあるインバウンドに歯止めをかけてしまいかねない問題と言えるでしょう。
――改正には早くから対策を打たれていました。
 改正による負担をお客様にそのまま転嫁するわけにはいきませんので、企業が一丸となってさまざまな策を講じ、お客様に対して値上げ率の圧縮を図りました。
 そのなかでもグループ内で行った組織改編は、物流経費や販管費の圧縮につながり大幅なコスト削減が実現できた。引き続き企業としてできる努力は続けて参りたい。
――特別協賛をされている「すすきのめぐり酒」も好評ですね。
 そうですね。多方面から好評の声を頂いております。この「すすきのめぐり酒」は、テナントがイニシアティブをとって〝はしご酒〟を行うイベントで、すすきの観光協会が行う企画とは異なり、今年も秋口の開催を予定しています。業界を取り巻く環境は決して安閑なものではありませんので、我々もどのように協力できるかを模索し続け、すすきのの活性化につなげていきたい。

新工場稼働でサービスに厚み

――グループ内のシナジー効果が継続しています。
 ワタナベグループは、渡辺食品機械、ワタナベ冷機、ワタショウ、ワタショウフーズ、マルショウ、ナベビルの6社で構成されています。飲食店が必要とするものは全てグループ内で取り揃えることができますし、我々にとって最大の強みと言えるグループ各社の〝シナジー効果〟によって、おかげさまでグループ連結の売上高は毎年増収増益を維持しています。現在では約120億円にまで成長し、昨年度はワタナベ冷機、ワタショウ、マルショウ、ナベビルの4社が過去最高の売上となりました。
 このシナジー効果というものは、グループ各社が連携し、飲食店の開店準備からオープン以後の商品供給まで、お客様が求めるあらゆるニーズに対し、包括的かつ素早く対応するというものです。現在では多方面からこのビジネスモデルを高く評価していただいておりますので、今後もこのビジネスモデルに磨きをかけ、さらなるサービスの拡充につなげて参りたい。
――食品加工・製造会社のワタショウフーズが16年に新工場を稼働させましたが、現状は。
 ワタショウフーズでは、焼き鳥店に販売する串刺しをはじめ、食品の加工・製造を行う企業で、16年に白石区北郷に土地と建物を取得しました。近年では大規模な拡張で、より一層お客様からの要望に応えることが可能となりました。
 ですが、人手不足という課題が浮き彫りになったのも事実です。受注はできても作業を行う従業員がいないんです。この工場では150人の稼働が可能ですが、残念ながら現在の従業員はそれを満たしていない。今後は、人材の確保に今まで以上に重きを置いていかなければなりません。
――今後の展望をお聞かせ下さい。
 私は以前から、〝今は若い力が必要な時代〟ということを申し上げてきました。こういった背景からも、来年の5月にワタショウを渡邉伸隆副社長に、渡辺食品機械を渡邉伸一郎副社長に託そうと思っています。私は会長職として残ることも考えていますが、それらはともかく、その先は若い力で会社を牽引していってほしいですね。