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渡邉 正一 氏(ワタナベグループ 代表)2018年12月号掲載 


〈わたなべ しょういち〉 
1947年3月12日生まれ、亥年。札幌市出身、71歳。札幌東高を経て早稲田大教育学部卒。70年4月、渡辺食品機械に入社。74年7月常務、89年に社長就任。現在に至る。
躍進する飲・食のトータルプランナー
〝若い力〟でグループ牽引


 開店準備からオープン以後の商品供給まで、きめ細かな需要に対応する〝飲食のトータルプランナー〟ワタナベグループ。業界を取り巻く環境は依然厳しさを極めるものの、グループのシナジー効果で消費者への負担軽減を実現。2019年はグループの中核、渡辺食品機械が社長就任30年、ワタショウが創立25年の節目を迎える――。



消費者目線でサービス継続

――2017年に酒税法の一部が改正され、1年以上が経過しました。現状を。
 先般改正された酒税法というのは、商品の仕入原価に対して販管費や物流経費などを合算し、その合計額よりも下回った価格で販売してしまうと〝罰則を受ける〟というもので、この改正により業界全体がコストオンとなりました。原価に対して赤字で販売をしていたところも是正しなければなりませんから、酒屋の収益自体は良い方向に向かっていることは間違いない。業界が正常化してきたのは事実でしょう。
 ただ、業界が正常化になる以上、必ずどこかにそのシワ寄せがいく。それをすべてお客様に向けるわけにはいきません。
――早々に対策をとられていました。
 そうですね。企業一丸でさまざまな策を講じ、お客様に対して値上げ率の圧縮を図りました。なかでもグループ内で行った組織改編は、物流経費や販管費の圧縮につながり大幅なコスト削減が実現できた。引き続き企業としてできる努力は続けていく方針です。
――今般の震災の影響は。
 業界全体で2割近い落ち込みですので、決して小さくはありません。先を予想することが難しい問題ですから、回復にはもう少し時間を要するでしょう。
――2019年は消費増税が控えます。
 10%の消費税は非常に大きい問題です。家計が節約をするとなると、真っ先にあげられるのは間違いなく外食です。厳しい環境になることが予想されますが、我々としてはグループをあげて、消費者目線のサービスを継続して参りたい。
――そのグループについてですが、シナジー効果が効率的に発揮されています。
 ワタナベグループは、渡辺食品機械、ワタナベ冷機、ワタショウ、ワタショウフーズ、マルショウ、ナベビルの6社で構成されています。飲食店が必要とするものはグループ内で全て取り揃えることが可能ですし、我々にとって最大の強みと言えるグループ各社の〝シナジー効果〟により、おかげさまでグループ連結の売上高は毎年増収増益を維持しています。現在では約120億円にまで成長し、今年度はワタナベ冷機、ワタショウ、マルショウ、ナベビルの4社が過去最高の売上となりました。
 このシナジー効果は、グループの組織力を活かしたサービスの提供で、〝大手にはできないニッチの部分をお手伝いする〟という発想です。グループ各社が連携し、飲食店の開店準備からオープン以後の商品供給まで、お客様が求めるあらゆるニーズに対し、包括的かつ素早く対応する──、昨今ではこのビジネスモデルを高く評価していただいておりますので、今後もこのビジネスモデルに磨きをかけ、さらなるサービスの拡充につなげて参りたい。
――特別協賛をされている「すすきのめぐり酒」が今年も好評でした。
 このイベントは、テナントがイニシアティブをとって〝はしご酒〟を行うもので、今年は11月8日に開催いたしました。内輪で行っているイベントですが、大変好評の声を頂戴しております。業界を取り巻く環境は決して安閑なものではありませんので、我々としては今後もさまざまな活動をつうじて、すすきのを盛り上げていく方針です。

一代で北海道のトップ企業今後は見守る存在に

――19年5月に社長職を引き継がれます。
 そうですね。2019年は渡辺食品機械を先代から引き継いでから30年、ワタショウを創業して25年──、そして平成が終わりを告げる節目の年です。かねてから私は「今は若い力が必要な時代」ということを申し上げてきましたので、このタイミングで渡辺食品機械を渡邉伸一郎副社長に、ワタショウを渡邉伸隆副社長に社長職を譲ります。これからは若い力で会社を牽引していってもらいたいですね。
――これまでの30年を振り返り、想うことは。
 体調を崩したことが頭をよぎりますね。7大疾病のうち6大疾病を経験しましたから。
 経営については、手前味噌ですが先代から引き継いだ渡辺食品機械にプラスアルファを加え、より盤石な経営基盤を構築することができた、ワタショウは一代で北海道のトップにまで上り詰めることできた、これらについては〝ひとつのことをやり遂げた〟という実感はあります。
 今後は会長職としてグループ全体を見渡し、支え、見守る存在でありたいと思っています。