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  男と女の事件簿

女に溺れた 真面目教頭の転落
【K市発】□月■日、K市教委は市立小学校の前教頭が在職中にPTA関連口座から約150万円を不正に引き出し、流用していたと発表した。前教頭は教育関連の会議参加費のほか、私的な飲食にも使ったことを認めているという。問題発覚後、全額返還し、辞職した。

「相談があるの。10時には店を閉めるから、付き合ってくれないかしら」
 陽子は孝にそう囁いた。ここは陽子が経営するミニクラブだ。孝は48歳。真面目で熱心な指導ぶりで知られ、1年前に教頭に昇格した。その祝いの会の帰り、PTAの役員に連れられて来たのがこの店だった。
 陽子は卒業生の母親という。夫と離婚した後、女手一つで息子を育てていた。40代前半で、小柄だが、グラマー。顔は少女のように愛くるしく、そのアンバランスが男たちを引き付けた。孝を連れてきたPTA役員もそんな一人だった。以来、孝も仕事帰り、たまに一人で立ち寄っていた。
「やっぱり、年頃の男の子には男親が必要なのかなぁ」
 場所を移した居酒屋の個室。陽子はそう愚痴った。聞けば、中2の息子の部屋を掃除していたら、ヌード写真満載のエロ雑誌が出てきたという。
「机の中には煙草も入っていたんです」
「煙草はやめさせた方がいいけど、雑誌はね、興味を持ってもしょうがない」
「それなら良いけど。母親ってだめね、おろおろしちゃって」
「そんなことはない、あなたは一人でよくやっている」
「そんなにほめられたら、酔っちゃいそう」
 ビールから始まって日本酒へ。金曜日の夜とあって、2人は杯を重ねた。陽子は酔うと、いっそう、艶っぽくなった。
「付き合っている人はいないのかね」
「ほしいけど、こんなおばさん、誰も口説いてくれないわ」
「常連さんは、みんなあなたのこと、好きだと思うけど」
「お客と変なことになったら、商売できなくなるわ。それにワタシ、理想は高いの」
「好みのタイプって」
「たとえばセンセイみたいな人。渋くて、落ち着いた…」
 酔いに任せて、陽子はむっちりした体を預けてきた。


 ベッドの上で陽子は積極的だった。
「男性に触れるのは久しぶり」
 そう言いながら、陽子は孝の体をまさぐった。耳に息を吹きかけ、首筋にも舌を這わす。乳首を舌で転がしたと思うと、指先で孝の中心部をなぞる。男のツボを弄ぶように。
「センセイのって、立派」
 そう言うや否や、吸い付いてきた。孝も陽子の股間に手を伸ばす。そこはもうシドシドに濡れていた。
「きょうは何か、変なの」
「こんなになってくれて、嬉しいよ」
 そう言ってなめ返すと、陽子は自然に孝の顔の上にまたがった。「69」である。孝がアナルから蜜壷、突起しているクリトリスを嘗め回すと、陽子はわななきながら、しゃぶりついてきた。1回終わって、陽子が耳元でつぶやいた。
「はしたない女って思わないでね」
「キミに夢中になりそうだ」
 妻とは定期的にはあるが、それは溜まったものを吐き出すだけの行為。孝の言葉に嘘はなかった。
「うれしい」
 陽子はまた舌をねじ込んできた。孝も陽子のぴんぴんになった乳首を引っ張った。
「それがいい、今度はワタシが上」
 騎乗位の陽子は、乳首を引っ張られると腰を激しくしゃくり、上り詰めた。


 その夜以来、孝は1週間に2度は陽子の店に通うようになった。若い女の子も数人雇い、内装もそれなりの店だ。孝は「特別料金」にしてもらっていたが、それでも1ヵ月の支払いは5〜6万円は下らない。毎回でないにしろ、店を閉めた後、飲みに出て、そしてホテル代。出費が10万円を超える月もあった。
 それに店で他の客が陽子にプレゼントを渡しているのを見ると、負けじと孝もバッグや靴を贈った。ここが真面目な男の性だ。
 住宅ローンも残り、大学生の娘への仕送りもあって家計に余裕はない。それでも妻に頼んで小遣いを上げてもらったが、それでは追いつかない。各種手当を前借りしたが、その分、穴が出来る。
 手を出したのがPTA親睦費や、野球部が全道大会に出場した際に集めた寄付金の残金だ。通帳と印鑑は職員室の金庫にあった。それでやりくりする自転車操業。孝にも横領への罪の意識はあったが、それも陽子の熟れた体を抱くと吹っ飛んだ。
「教頭、寄付金の残金がゼロになっているんですが」
 野球部の顧問が問い詰めてきた。バットやミットを更新しようとして金庫を空けると、通帳がない。不審に思って信金に問い合わせてわかったという。
 事は市教委に報告され、監査の結果、PTA親睦費も使われていたのがわかった。その時点で孝は辞職し、流用した150万円は返済した。だが、そこで話は終わらない。市教委内では刑事告訴も検討すべきだとの声も出始めた。告訴されて懲戒免職にでもなったら退職金もパーだ。
 騒動発覚後、陽子の携帯はつながらなくなっていた。


(実際にあった事件をヒントにした創作です)