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  男と女の事件簿

調子に乗って3P 「合意のはずが…」
【H市発】■月□日、H署は強制わいせつの疑いで、市内在住の会社員富田義男(48)と隣町に住む会社員吉田孝(48)を逮捕した。調べによると、2人は市内のホテルで顔見知りの30代の女性の体を押さえつけて、卑猥な行為をした疑い。両容疑者は「合意の上だった」と否認しているが、同署は強姦の疑いでも捜査している。2人は中学時代の同級生。

「四十にして惑わず」とは論語の教えだ。しかし今の40代、煩悩だらけといっていい。会社では中間管理職。上からは「業績が上がっていない」と尻をたたかれ、下に文句を言おうものなら仕事を放り投げて早退される。結局、書類整理など、行き場のない仕事を一身に背負う羽目になる。
 かといって、家庭に帰っても子どもは受験期。妻もぴりぴりしている。亭主のことなんか、かまう暇はない。ましてや、たまに求めようものなら「子どもが頑張っているのに。何を考えているの」とののしられる。結局、会社を退けてからは居酒屋に向かうか、個室ビデオ屋に入って欲求を解消するしかない。
 中学時代から仲のいい義男と孝は、そんな境遇にいた。だから、行きつけの居酒屋で杯を重ねるごとに、自然と愚痴が口を衝く。
「お前のところは息子が優秀だから心配ないが、おれのところは娘がバカだから。何も大学なんて行かなくてもいいのに。女房のやつ、見栄張って」
 義男がそう漏らすと、孝は会社への不満を吐き出した。
「お前の会社は大きいからいいが、おれのところなんて中小だ。何でも課長のおれに責任がくる。なのに女房は出世が遅いって文句を言うし。やってられないよ」
 一昨年の同窓会以来、2人は住所が近くとあって、会社帰りに待ち合わせて頻繁に飲むようになった。ストレス発散が名目だったが、最近は飲んでいても逆にストレスがたまる。そんな時、2人が向かうのは駅前にできた個室ビデオ屋だった。似たもの同士、選ぶビデオの種類も似ていた。いわゆる「3Pもの」だ。男2人が女を好き勝手に嬲る内容。男の征服感が刺激された。いつしか、2人は飲みながら「3P、やってみたいな」と妄想を膨らませた。それが願望で終われば、良かったのだが…。


「おい、相手してくれるかもしれないってさ」
 受話器の中で義男が息せき切っている。
「例の居酒屋に来るOLだ。前に一緒に飲んだことがあったろ。きのう、あの女と飲んで、さりげなく誘ってみたら、フィーリングが合えばいいって言うんだ。どうする、誘ってみるか」
 義男の言うことに聞いているだけで孝は興奮した。
「じゃ、明日な」
 3人は居酒屋で落ち合った。陽子と名乗るOLは30代前半。美人ではないが、背が高く肉付きがいい。話では夫の浮気がきっかけで離婚したばかり。「男って勝手だわ、女だって遊びたいのに」と意味深なことを漏らした。それを合意のサインと受け取った。
 2人は陽子にビールやワインを勧め、しこたま酔わせてホテルに向かった。
 陽子がベッドで横になっている間に段取りを決めた。
「初めはおれが腰から上。お前は下。本番の順番は成り行きで」
 義男が抱きしめると「乱暴にしないで」と言いながらも、胸をもまれ始めると、自らキスを求めてきた。舌を絡めあう音が艶かしい。黒ずんだ乳首をなめられるころには、甘い吐息を漏らして腰をくねらせ始めた。それを合図に孝も秘所に舌を這わせた。もうクリトリスはしこり、蜜壷は淫靡な香りを放っている。義男への対抗心から丹念にしゃぶると、女は体をのけぞらせて上り詰めた。
「どっちが欲しい?。言ってごらん」
 義男が尋ねると、女は義男の分身を手にした。正常位で義男が攻めたてると、女はよがり声を上げ、孝のモノも手に取った。それをきっかけに孝も口にねじ込んだ。女は激しく突き上げられながら、口でも性欲を満たす。ビデオでなじみのシーンだ。それはバックでも続き、義男と孝はクラクラする興奮の中で、秘所と口で同時に果てた。
 羞恥心が消えると、もうトランス状態である。これがセックスの魔力か。女は白目をむきながら何度も獣のような声を上げ、男2人も激しく腰を打ちつけザーメンをありったけ放出した。


 終わった後も舌を絡ませながら、3人は体をまさぐり合った。心地いい終わり方だったが、そこからがこじれた。
 3万円を孝が渡すと、女は言い放った。
「馬鹿にしないで」
 カネという現実を突きつけられ、酔いと興奮が冷めて我に返ったようだ。
「ワタシ、なんてこと、したの。あんたたちのようなヒヒジジイと」
 涙声で食って掛かってきた。
 初めはなだめていたが、話が堂々巡りでラチがあかない。義男が声を荒らげた。
「なに言ってんだ。欲求不満で、ヒイヒイ悦んでいたじゃないか」
 売り言葉に買い言葉である。言い合いが続き、その夜はいったん別れたが、それだけで済まなかった。翌朝、義男と孝の自宅に刑事が乗り込んできた。女が「襲われた」と警察に駆け込んだのである。


(実際にあった事件をヒントにした創作です)