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  男と女の事件簿

若い肉体におぼれた 初老中学教師の焦り
【K市発】■月□日、K署はストーカー規制法違反の疑いでK市内の中学校教諭高田一晶(52)を逮捕した。調べによると、同容疑者は元交際相手の10代の少女に復縁を迫り、拒まれると「復讐します」「みんなに2人の関係をばらします」とメール。少女から相談を受けた同署がつきまといをやめるよう通告しても、従わなかった。

 かつて、50代の男といえば分別盛りといわれた。しかし、最近は違う。体は元気でその分、幼稚でもある。昔と比べたら、肉体的にも精神的にも実年齢の「7がけ」といっていい。ということは、30代半ばといったところか。
 一晶が里美と知り合ったのは1年前だ。きっかけは学校からの帰宅途中、道路で酔客に絡まれていた里美を救ったことだった。里美は当時高校3年生。教え子ではなかったが、勤務する中学校の卒業生で一晶のことを覚えていた。
「センセイ、ありがとうございました。ワタシ、どうしていいか、パニックになっていたんです」
「大丈夫かい、まだ顔が青いけど」
「大丈夫です」と言いながら、セーラー服の里美の体が震えている。
「アイツがまだその辺にいるかも知れないから、車で送るよ」
 家の前に着き、降車する際、里美は一晶のメールアドレスを尋ねてきた。
「今晩、メールします。読んで下さいね」
 帰宅して風呂につかり、ビールを飲もうとした時、スマホが鳴った。開くと、里美からのメールだった。
「センセイ、本当にありがとうございました。ワタシ、父親がいないし、一人っ子なので男の人って怖いものだと、ずっと思っていましたが、センセイのような優しくて頼りがいのある大人の男性って素敵だと思いました…」
 素直な文面だ。早速、一晶も返信した。
「良かったら、今度の日曜日にドライブでもどうですか。妻と子どもが実家に帰っているので、何して時間をつぶそうか、と思っていたので」
 すぐに返信があった。
「ワタシって暇つぶしの相手ですね。でも、センセイとなら、喜んで♥♥」
「♥」マークが胸を高鳴らせた。


 ドライブで向かったのは湖だった。「ボートに乗りたい」と里美が言ったからだ。
 ボートの上で里美は快活だった。手ですくった湖水を一晶にかけるなど、茶目っ気も見せた。周りは仲のいい親子と見ているだろう。でも、一晶はカットソーの時々、のぞく水色のブラジャーが気になった。はいているGパンも張り裂けそうだ。明らかに里美の体は大人のそれだ。
 帰りの車内。疲れたのか、里美は助手席で寝息を立てていた。屈託のない寝顔がまぶしい。「いけない」と思いながらも、思い切って唇を重ねてみた。驚いたことに里美は舌を絡ませてきた。山道で車を止め、抱き寄せると、里美は耳元でささやいた。
「センセイ、ここではイヤ」
「男が怖い」と言っていたから、てっきりバージンだと思っていた里美はベッドの上では奔放だった。乳首はまだ小さく幼いが、吸いあげると体をぴくぴくんと痙攣させて吐息を漏らした。淫猥な香りのする秘所はそれなりに潤い、舌を這わせると「入れて」と甘えてきた。
「カレシがいたのか」
「もう、別れたの。そんなことより、きょうは楽しみましょ」
 若い肉体は貪欲だ。いくら、上り詰めても疲れを知らない。一晶が発射してまどろんでいると、里美が咥えてきた。微妙な舌遣いと時折当たる歯の感触に、思わず声が出た。里美に一晶はおぼれていった。


 秘密の関係は里美が高校を卒業して大学に入学しても続いた。当初、積極的だったのは里美の方だった。毎日のように「♥」付きのメールが届き、会うと必ず、求めてきた。
「好きなんだな、キミは」
「だって、センセイの、気持ちいいんだもの」
 そんな関係が1ヵ月前からおかしくなった。メールが届かない日が多くなり、一晶が送っても返信がすぐに来なくなったのだ。
「バイトが忙しくって」
 里美はそう言い訳したが、恋人ができたのか。一晶の不安は募った。
「きょう、会えないだろうか」
「きょうは先約があって」
 返信にはそうあったが、きっと男と会うに違いない。あの敏感な体が他の男と―。そう考えるだけで、頭に血が上った。 「里美、もし裏切ったら許さない。復讐するからね」
 怨みがましい文面を見たら相手はどん引きして、よけいに遠ざかる。そんなことがわからないほど、分別はなくなっていた。以来、一晶は会うことを拒否されると「復讐する」「みんなに2人の関係をばらす」などといったメールを送り続けた。
 久しぶりに里美から電話が来た。喜んで出ると男の声だった。
「こちらはK署です。ストーカーのような行為はやめなさい。警告します」
「私がストーカー?。里美に早く代わってください」
「だめです。今度、変なメールを送りつけたら、我々も動くしかありません」
 里美が警察に駆け込んだのである。警察の通告を無視してメールを送っていたら、一晶は逮捕された。


(実際にあった事件をヒントにした創作です)