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北海道のパワフルカンパニー

㈱ヒューマンリンク 2018年8月号掲載 

㈱ヒューマンリンク

☎(011)398‐8787
江別市文京台東町11-31
http://karadalabo.com/
ヒューマンリンク帯広「百年の森」
中重度者の「総合的なケアを」

 リハビリ特化型デイサービス「カラダラボ」を中心に、高齢者や児童のための事業を手掛けるヒューマンリンク(本社・札幌市中央区、田中紀雄社長)はこの2018年5月28日、中重度対応デイサービスの帯広市総合ケアセンター「百年の森」を開設した。同社は通所介護事業や訪問看護事業など15ブランド(業態)141事業所を全国展開中で、最近あらためて注目を集めるようになった「介護ビジネス」の道内の先駆けともいえる企業だ。

自立支援型の特殊浴槽を導入

 帯広市総合ケアセンター「百年の森」は、中重度者の多様なニーズに応える短時間利用も可能な1日型のデイサービスだ。163・5坪という広い面積を有しており、既存事業で得た生活期におけるリハビリテーションのメソッドと療養通所介護で培った重度者ケアのノウハウを融合させたトータルケアプログラムを実施する。

▲帯広市にオープンした「百年の森」

▲日常生活を取り戻すことを目的に
機能・能力訓練を行う

▲濱田晃子常務

▲片岡友里さん
「25年に後期高齢者は5人に1人の割合となると言われるなかで、持続可能な社会保障制度の在り方を追求していく過程で中重度の要介護者に向けた多様なニーズに応えていくことがカギになります。特に認知症高齢者は25年には730万人へ増加し、65歳以上の5人に1人が発症すると推計されています。残存機能を高め、廃用を減らしていくプログラムは生活能力や生活の質(QOL)の維持向上に有効。活動量や水分摂取量の補正、口腔機能訓練を含めた低栄養改善への取り組み、中核症状及び周辺症状軽減へのアプローチ、IT活用の評価スケール等、あらゆる側面から総合的にケアをしていきます」(濱田晃子常務)
 また、特徴の一つとして、デイサービスではあまり例がない自立支援型の特殊浴槽を完備。浴槽での立ち座りが困難な方も利用が可能だ。
 この「百年の森」を含めて、同社は通所介護の「カラダラボ」や「らいふてらす」、療養通所介護の「ランプの貴婦人」、訪問看護の「八重の看護」、障がい児通所支援の「ラブアリス」など15ブランド(業態)を有し、全国141事業所を展開中。10年8月に設立、翌年2月に「カラダラボ」の1事業所目を江別市内に開設してから8年間でこれほどまでに事業の幅を広げられたのも田中社長の先見力や創造力によるところが大きい。
 在宅医療・介護の在り方を追求してきた結果として現在の姿が構築されたのだが、その根幹となっているのが地域連携の新しいかたち「まちつくミライ®」構想である。
「国の政策をはじめ変化の著しい環境下において、様々なステージにおける在宅復帰、在宅療養を可能にしていくために必要な社会資源の在り方を考え続けてきました」(濱田常務)
 最近では、自立支援デイサービス「とまりぎ」が函館市内に、障がい者グループホーム「iGloo(イグルー)」が札幌市南区にそれぞれオープンした。「とまりぎ」は古民家のリノベーションによって、自宅に近い環境下で自立を支援していく狙いがある。
 一方の「イグルー」は本人の可能性や能力を引き出す自立訓練に注力していくグループホームだ。
 事業統括本部経営戦略課の片岡友里さんによると、
「道内の主要自治体に調査したところ、障がい者のグループホーム供給率は20%前後に過ぎず、受け皿がまだまだ確立されていません。まずは居住環境の安定供給から自立への道を進めていきたいですね。また、深刻化する精神科病院における社会的入院をすこしずつ解消していくきっかけになれば、とも思っています」
 片岡さんは、ホームページをはじめ情報発信や人材確保も担う。同社は海外技能実習制度の活用にも積極的に取り組み、来春をめどに3年または5年のスパンで海外人材の雇用を目指している。その準備期間として数人のインターン生を近日中に受け入れる。

再び注目集める「介護ビジネス」

 その人材確保という点では、新たに介護業界に足を踏み入れる人は決して少なくない。ある調査データによると、介護サービス職業従事者は15年に国内155万2410人。5年前と比べて29万560人増え、増加人数では一般事務職従事者に次いで多い。
 また、政府の発表によると、プライマリーバランスの黒字化目標を従来の計画より5年先送りの25年とする方向で最終調整に入ったとのこと。15年の制度改正ショックも一旦落ち着き、介護市場は拡大の一途、40年には26兆円産業となると予測されている。
 それだけ高齢化社会が進んでいることが背景として挙げられるものの、別の視点で見ると、介護ビジネスが注目を集めているという側面も大いに考えられる。
 成長を続けるヒューマンリンクは道内での介護ビジネスの先鞭である。道の公表によると、グループで展開する通所介護事業所において、2018年度の事業所評価加算適合事業所数は56事業所となり、これは5年連続ナンバー1の認定数である。
 田中社長は6月に、日本デイサービス協会理事から副理事長に就任。要職を任されるのも母体企業の信頼と実力が備わっているからにほかならない。