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北海道のパワフルカンパニー

北武グループ 2018年2月号掲載 

「設立満50年」
進化続ける北武グループ
近未来に向けた企業戦略を読む

 異色の実業家、小西政秀氏が北武総業(本社・札幌市)の前身、丸秀小西商事を設立してから2018年1月でちょうど50年になる。資本金300万円で起業した小西氏は当時31歳。独特の才覚を如何なく発揮し、土木・食品加工・医療・福祉・ITなどの部門にどんどん幅を広げ、現在は約20法人から成る異業種企業グループ「北武グループ」を形成している。その近未来戦略を読む。


▲増築した北武フーズの工場

▲機械設備を増設した「花月堂」銭函工場

▲「インポート・プラス」の土地・建物は
北武グループが所有し、賃貸している

▲薬と食品の「治験」で
 定評のある美しが丘病院

▲増築(右側部分)した北武記念絵画館

▲本社会長室に飾る「聖恩碑虹輝」と
小西政秀会長
「病院食」を自社で製造・供給

「北武グループは常に進化している。新しい年(2018年)は大きく変わっていくだろう。新たな未来図は私の頭の中でおおむね描かれている」
 北武グループ創業オーナーの小西政秀氏はこう力を込めて語る。「変わっていく」のは「満50年」を迎えたからではない。さらに成長・拡大を続け、次世代に継承していくためだ。
 この50年間で社会環境は激変した。そうしたなかで北武グループは荒波に負けずに、自らを革新し続け、幾多の苦難を乗り切って現在の姿がある。それも小西氏の時代の流れを読む力、ニーズを先取りする眼力が的確だったからだ。
 少子高齢化社会が今ほど深刻化する前に、介護福祉事業に進出し、拡大路線を歩んできたのはその代表的な事例である。また、食糧不足を補う農業経営への参入や水資源の確保など、地域を豊かにする事業に集中して投資を重ねてきた。
 北武グループを構成するのは約20の法人や会社だ。その中の医療法人北武会と社会福祉法人秀寿会は、病院や高齢者介護福祉施設等を経営し、グループの柱の一つとなっている。病床数は合計1000床に迫る道内屈指の規模を誇り、小西氏はこれらの施設で提供する「食事」を自社グループで製造、供給していくことに着手した。「安全・安心な食の追求」がその原点にあり、クックチル方式の採用で経営の効率化をいっそう高める。ゆくゆくはその量を大きく広げていく考えだ。
 そのために今、取り組んでいるのが総合食品メーカー、北武フーズの経営基盤の強化である。昨年8月に西区八軒の工場を増改築したほか、小樽の老舗「花月堂」を同社に統合。銭函工場に新たな機械を導入するなど設備投資を行い、生産力を向上させた。
 この「病院食」の自社供給の背景には、医療や介護業界を取り巻く慢性的な人材不足、担い手不足があり、小西氏はこの問題にも早くから対策を講じてきた。
 小西氏は東京都に本社を置くグローバル・ヒューマン・キャピタルの会長を務めている。同社は人事コンサルティングや教育プログラムの作成を手掛け、ASEAN諸国にネットワークを持つ。そこで目を向けたのはベトナムだ。
 技能実習生の受け入れはすでに食品工場で実績があり、介護業界も昨年11月の法改正で“解禁”となったことで、いよいよ本格的な動きが展開される。スピーディーに対応出来るのも、「人材」に関する諸問題の顕在化を予測していたからにほかならない。
 北武グループは今、保有不動産などの資産運用を積極的に行っている。本社に専門部署を設けているのは、運用資産が多数に及ぶためで、近年で具体的な「かたち」となり、地域振興に貢献を果たしたのが清田区の羊ヶ丘通に面した地域だ。北武会が経営する美しが丘病院の隣接地に上屋を建て、外国車の販売ディーラーに賃貸する方式をとっている。
 この辺りはここ10年ほどで一気に再開発が進み、さまざまな業種の大型店が建ち並んだ。その一角を形成しているのが北武グループというわけである。

北武記念絵画館を増設リニューアル

 小西氏は絵画に造詣が深いことで知られる。地下鉄学園前駅に近い北武記念絵画館は開設から22年を迎え、精力的に収集した絵画や彫刻作品を一般に公開している。現在の収蔵点数は9000点を超える。
 昨年夏に増設リニューアルし、展示スペースを広げたほか、来館者の休息コーナーを設けた。
 絵画館のスタートはビジネスに直結しない社会還元の一環だったが、小西氏にとっては、大切な心のよりどころである。多忙な日々を送ってきたなかで、美術との触れ合いは数少ない趣味の一つなのだ。
 同絵画館では2月8日から展覧会「心象の流儀で」を開催する予定。〈自身の造形的な主張を、抽象的に、しかし実在する何かで示すために、心象という表現を通して、鮮明に映し出す作家たちの展示=同館ホームページより〉
「気軽に足を運んでほしい」と小西氏は呼び掛けている。